肩こり

丹波篠山で肩こりに悩んでいる方へ|揉んでも翌日に戻る理由

編集:株式会社藤井翔悟事務所|公開 2026.08.01編集方針

はじめに——「また戻ってきた」を繰り返している方へ

「整骨院でもんでもらうと楽になるが、翌朝になればまた肩が重くなっている」「何年も肩こりと付き合っているが、根本的には変わっていない気がする」——丹波篠山で農業をされている方や、毎日車で長距離を移動される方から、このようなお声をよくうかがいます。

肩こりは日本人に非常に多い症状です。研究によると、日本人のおよそ12.3%が肩こりを訴えており、特に50〜54歳の年代に多く、男性よりも女性に多い傾向があります(Toda et al., 2022)。農作業・草刈り・稲作などで長時間うつむく姿勢が続く丹波篠山の生活環境は、首・肩への負担を積み重ねやすい条件が重なっています。

この記事では、肩こりが「揉んでも戻る」理由を、筋肉の仕組みと姿勢の観点から整理します。原因のある場所を正しく理解することで、セルフケアの選び方が変わってきます。

この記事で分かること

先に結論をお伝えします。揉んでも肩こりが戻る最大の理由は、「痛みを感じる場所(僧帽筋)」と「原因のある場所(首の深部・胸郭まわり)」がずれているからです。

肩の表面を揉むと血流が一時的に改善し、その場では楽になります。しかし、深部の緊張や姿勢の問題が残ったままだと、数時間〜1日で筋肉は元の状態に戻ります。

  • 肩こりを引き起こす筋肉の仕組みと血流の関係
  • 「揉んでも戻る」理由——表面と深部のズレ
  • 逆効果になりやすい対処とその理由
  • すぐに受診が必要なサイン(レッドフラッグ)
  • 自分でできるセルフケアの具体的な手順

症状の正体——僧帽筋と血流低下の仕組み

肩こりに主に関わる筋肉は僧帽筋(そうぼうきん)です。首の後ろから肩・背中の上部にかけて広がる大きな筋肉で、頭を支える・腕を持ち上げる・肩甲骨を動かすといった重要な役割を担っています。肩こりで「張っている」と感じる場所のほとんどは、この僧帽筋の上部(首の付け根から肩の上にかけて)と中部(肩甲骨まわり)です。

筋肉が「こる」仕組みは次の通りです。同じ姿勢を長時間続けると、筋肉は軽い収縮状態を保ち続けます。この状態が続くと、筋肉内の毛細血管が圧迫されて血流が低下します。血流が落ちると酸素が届きにくくなり、代わりに乳酸・発痛物質(ブラジキニンやサブスタンスPなど)が蓄積します。これが「重い」「張る」「だるい」という感覚の正体です。

研究では、慢性的な僧帽筋の痛みを持つ方は健康な方と比べて筋肉内の血流が有意に低下していることが確認されています(Larsson et al., 1999)。また、筋肉の中にはトリガーポイント(硬結点)と呼ばれる「押すと痛みが周囲に広がる点」が形成されることがあります。肩を押すと頭の後ろ側や側頭部に痛みが広がる経験をされた方は、このトリガーポイントの放散痛によるものである可能性があります。

丹波篠山で農作業に従事される方は、長時間の中腰・草刈り・稲作など上肢と首を繰り返し使う動作が多く、僧帽筋への負担が蓄積しやすい環境にあります。市内を車で移動することが多い方は、ハンドルを握る姿勢で肩が前に出た状態が続き、首と肩まわりが慢性的な緊張状態に置かれやすくなります。

背中・肩まわりの層構造(横断面 模式図) ▲ 後面(背中の表面) 皮膚・皮下組織 僧 帽 筋 (浅層) 菱形筋・肩甲挙筋(中間層) 深部筋(多裂筋・頸半棘筋) ▼ 前方向(脊柱側) 揉まれる場所(表面) → 一時的に楽になる層 原因のある層(深部) → ここへのアプローチが鍵
背中・肩まわりの筋肉の層構造。揉まれる場所(表面の僧帽筋)と原因のある場所(深部筋)がずれている。
肩こりの悪循環——血流低下のサイクル 同じ姿勢が 続く 筋収縮が持続 血流が低下 老廃物・発痛 物質が蓄積 痛み・こりが 慢性化 この悪循環が断ち切れない限り、揉んでも繰り返します
筋収縮→血流低下→発痛物質の蓄積→慢性化、という悪循環のサイクル。表面だけをほぐしても深部の収縮が残ると元に戻る。

なぜ長引くのか——「揉む場所」と「原因の場所」のズレ

肩こりが長引く背景には、「揉まれている場所」と「根本の原因がある場所」のズレがあることが多くあります。揉んで一時的に楽になるのは、物理的な圧刺激によって血流が一時的に増加するからです。ただし、この効果は主に表面の層(浅層筋)への作用です。首の深い層にある多裂筋(たれつきん)や頸半棘筋(けいはんきょくきん)などの深部筋には、表面からの揉みほぐしの効果は届きにくいとされています。

現代の研究では、頭部前方位姿勢(Head Forward Posture)が肩こりを悪化させる大きな要因として注目されています。スマートフォンやパソコンの画面を長時間見ると、頭が首よりも前に出た姿勢になります。頭部の重さは約5〜6kgですが、首が前に傾くと頸椎にかかる負荷は大幅に増加するとされています。この姿勢を支えるために僧帽筋が常に引っ張られ続けることが、肩こりの慢性化につながると考えられています。

さらに、胸郭の可動性の低下が肩こりを長引かせる要因になる場合があります。胸郭とは、肋骨・胸骨・胸椎で構成される胴体の上部のことです。胸郭の動きが硬くなると、肩甲骨の動きが制限され、その代償として首・肩への負荷が増えます。農作業でうつむく姿勢を長時間続けると、胸椎が丸まった状態が固定化し、これが肩こりの慢性化に関与することがあります。

つまり、肩こりが長引いている方の多くは、「肩の表面の筋肉の問題」だけでなく、「姿勢・胸郭・深部筋の問題」が複合しているケースが多く、その部分にアプローチしないと揉んでも繰り返すということになります。

頭部の位置と首への負荷(対比) 【良い姿勢】 耳が肩の真上 負荷:小 【頭部前方位】 耳が肩より前に出る 首への負荷:大 頭が前に出るほど 僧帽筋への 引っ張りが増す
頭部の位置と首への負荷の関係。耳が肩より前に出るほど僧帽筋が常時引っ張られ、肩こりが慢性化しやすい。
「揉まれる場所」と「原因の場所」のズレ 揉まれる場所 【表 面】 僧帽筋 (肩の上部) 一時的に楽になる → また戻る 原因の場所 【深部・構造】 頸椎深部筋 胸郭の可動性 頭部前方位 ここにアプローチすると 変化が長続きする この2つを 混同しない ことが重要
揉まれる表面の筋肉(僧帽筋)と、根本の原因がある深部・姿勢の問題は別の場所にある。

やってはいけないこと

肩こりへの対処として広く行われていますが、かえって状態を悪化させる可能性があることをまとめます。

1. 強く揉みすぎる

強い力で揉みほぐすと一時的に楽になります。しかし、過度な刺激は筋肉や筋膜に微細な損傷を与え、翌日以降に「揉み返し」(筋肉痛のような状態)が起こることがあります。揉み返しが繰り返されると、かえって筋肉が防御的に硬くなる可能性があります。「痛気持ちいい」を超える強さには注意が必要です。

2. 首を急に大きく回す

寝違えや急性期の症状がある場合、首を大きく回すことは椎間板や関節に余分な負荷をかける可能性があります。可動域が回復してから、ゆっくりと動かすようにすると負担を減らせます。

3. 湿布を貼って安静にするだけで終わらせる

湿布は炎症を抑える効果や冷却・温熱効果がありますが、筋肉の緊張そのものや姿勢の問題には直接作用しません。湿布で症状が楽になっても、根本の原因が残ったままだと繰り返します。湿布は「使いながら原因にもアプローチする」という考え方で使うと負担を減らせます。

4. 毎日強いマッサージを続ける

強刺激を毎日続けると、筋肉が常に微細なダメージを受け続ける状態になる場合があります。当院の経験では、強いマッサージを習慣にしていた方が刺激を軽くしたことで、かえって症状が安定したというケースがあります(効果には個人差があります)。

受診をおすすめするサイン(レッドフラッグ)

次のサインがある場合は、整体・治療院ではなく医療機関(整形外科・脳神経外科・内科など)への受診をまず優先してください

  • 手・指のしびれや感覚の異常:頸椎の神経が圧迫されているサインである可能性があります
  • 片腕だけ力が入りにくい:頸髄症や頸椎ヘルニアなどが関わる場合があります
  • 頭痛・めまい・耳鳴りを伴う:血圧や椎骨動脈の問題が含まれることがあります
  • 発熱・体重減少を伴う:感染症や悪性疾患の可能性があります
  • 強い痛みが突然起きた:血管系の疾患が含まれることがあります
  • 夜間に安静にしていても痛みが増す:炎症・腫瘍性病変が関わることがあります

「たぶん肩こりだろう」と決めつけず、上記のサインが1つでもある場合は早めに医療機関へご相談ください。整体・治療院は医療機関での検査によって重篤な疾患が除外されてから、補完的に活用するのが安全です。

自分でできること——胸郭と肩甲骨へのアプローチ

「揉む」以外の方向から肩こりにアプローチする方法として、胸郭の可動性を取り戻すストレッチと、肩甲骨を動かす体操が有効な場合があります。ただし、効果には個人差があります。

①タオルを使った胸郭ストレッチ

  1. バスタオルを縦長に折り、直径8〜10cm程度の円柱状に丸めます
  2. 仰向けになり、タオルを横向きにして背骨の上に当てます。みぞおちよりやや上(胸椎の中部)が当たるように位置を調整します
  3. 両腕を胸の前で組むか、頭の後ろに添えます
  4. ゆっくり深呼吸を10回繰り返します。息を吸うときに胸が自然に開くことを意識します
  5. タオルをやや上下にずらして、同じ動作を繰り返します(1〜2か所)

目安:1日1回、1〜2分。背中に強い圧迫感がある場合は中断してください。腰痛・骨粗しょう症・脊椎の疾患がある方は、まず専門家にご相談ください。

タオルを使った胸郭ストレッチ(側面図) タオルの位置 (胸椎中部) 深呼吸すると 胸椎が伸展し 胸郭が広がる
タオルを胸椎中部に当てて仰向けになり、深呼吸で胸郭の可動性を取り戻す。猫背で固まった胸椎に有効な場合がある。

②肩甲骨を動かす体操

  1. 椅子に浅く腰かけ、背筋を軽く伸ばします
  2. 両腕を体の横に自然に下ろします
  3. 両方の肩甲骨を背骨の方向へ引き寄せ、2秒キープします
  4. ゆっくり元に戻します
  5. 10回を1セットとして、1日2〜3セット行います

目安:肩が上がらないように注意します。首に力みが生じる場合は回数を減らしてください。五十肩のある方は可動域の範囲内で無理なく行ってください。

肩甲骨を引き寄せる体操(背面図・対比) 【前:広がった状態】 広がり 【後:引き寄せた状態】 2秒キープ 肩が上がらず 肩甲骨だけが 内側に動くのが 理想的な動き
肩甲骨体操の前後比較(背面図)。肩甲骨が背骨側に引き寄せられることで、巻き肩・猫背の姿勢が緩和される。

③首まわりの軽いストレッチ

耳を肩に近づけるように首を横に傾け、反対側の首筋が伸びる感覚を確認します。10秒キープして左右交互に2〜3回行います。反動をつけず、引っ張る感じのしない範囲で行うと、負担を減らせます。

④農作業・車の運転後の習慣

農作業や車の運転の後、意識して肩を後ろに引き、耳の位置を肩の真上に持ってくる動作を1分間行うと、首・肩への負荷が緩和される場合があります(当院の経験では)。1時間に1回程度の頻度で行うと効果を感じやすいという方が多くいます。効果には個人差があります。

当院の考え方

藤井翔悟治療院 丹波篠山院では、肩こりの方に対して、まず検査を通じて「どこに原因があるか」を確かめることを大切にしています。丹波篠山で肩こりにお悩みの方へ、以下の順序で状態を確認します。

  • 首(頸椎)の可動域と、どの方向で症状が変化するか
  • 胸椎(背中の上部)の動きの制限の有無
  • 肩甲骨の動き方の左右差
  • 上肢の神経反応(しびれがある場合)

これらを確認することで、「肩の表面の問題なのか」「首や胸郭の問題が波及しているのか」を分けて考えます。原因の場所が特定できると、そこにアプローチする施術の方向性が定まります。施術内容は、筋膜の調整・関節の可動域の改善・姿勢のご指導などを組み合わせます。

施術の効果には個人差があり、すべての方に同じ結果が出るわけではありません。「どこをどう変えようとしているか」を患者さんにわかりやすくお伝えすることを大切にしています。

初回料金は2,980円、2回目以降は10,000円です。営業時間は10:00〜17:00・完全予約制。詳しい場所はご予約時にご案内しています。ご予約・お問い合わせはこちらから、またはお電話(075-748-1410)で承ります。

よくある質問

Q1. 揉んでもらうと楽なのに、なぜ毎回繰り返すのですか?

揉んでもらうことで表面の筋肉の血流が改善し、一時的に楽になります。しかし、根本の姿勢や深部の緊張が変わらなければ、時間とともに元の状態に戻ります。「どこに原因があるか」を調べながら施術を進めることで、変化が続きやすくなる場合があります。効果には個人差があります。

Q2. 農作業を続けながら肩こりを改善できますか?

農作業そのものをやめることは現実的ではない方がほとんどです。当院では、農作業中の姿勢や体の使い方について一緒に考え、作業の合間にできる短い体操もご提案しています。農作業自体が原因の一つになっている場合、負担を完全になくすことは難しいですが、体の使い方を変えることで楽になる例はあります。ただし、改善の程度は個人差があります。

Q3. 肩こりと頸椎ヘルニアはどう違うのですか?

肩こり(筋肉の緊張・血流低下)と頸椎椎間板ヘルニア(椎間板が飛び出して神経を圧迫する状態)は、原因の仕組みが異なります。手・腕のしびれや筋力低下がある場合は、ヘルニアや神経の問題が関わっている可能性が高く、まず整形外科を受診されることをおすすめします。整体は医療機関での診断後に補完的に活用するのが安全です。

Q4. 何回くらい通えば変化しますか?

症状の重さや原因の場所によって異なるため、「何回で必ず変わります」とはお伝えできません。初回で現状を確認した後、どの程度のペースで通うかをご相談しながら決めています。長期間続いている肩こりほど、変化に時間がかかる傾向があります(当院の経験では)。まずはお気軽にご相談ください。効果には個人差があります。

まとめと参考文献

肩こりが「揉んでも戻る」のは、症状の場所(僧帽筋など表面の筋肉)と原因の場所(深部筋・胸郭・頸椎)がずれているからです。表面をほぐすだけでは、深部の緊張や姿勢の問題は残ります。セルフケアでは、胸郭のストレッチと肩甲骨を動かす体操を組み合わせることで、筋肉の表面以外の部分にも働きかけられます。

手のしびれ・力の入りにくさ・頭痛などを伴う場合は、まず医療機関へご相談ください。丹波篠山で肩こりにお悩みの方は、肩こりの症状ページもご覧ください。首の痛みが気になる方は首の痛み・寝違えのページも参考にしていただけます。ご予約はこちらから。

  1. Larsson SE, et al. Changes of trapezius muscle blood flow and electromyography in chronic neck pain due to trapezius myalgia. Pain. 1999;79(1-2):45-50. PMID: 9928775
  2. Sato T, et al. Potential risk factors for onset of severe neck and shoulder discomfort (Katakori) in urban Japanese workers. Industrial Health. 2016;54(3):230-239. PMC4939863
  3. Toda Y, et al. Clinical features of neck and shoulder pain (Katakori) in Japanese hospital workers. Scientific Reports. 2022;12:15476. PMID: 35660659

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断・治療など医療行為に代わるものではありません。施術の効果には個人差があります。症状が続く・悪化する場合は医療機関にご相談ください。

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